メールマガジン『ロックの王道を行け!』:第358回 GALLIARD – “Strange Pleasure”

【メーマガジン ロックの王道を行け!】

GALLIARD – “Strange Pleasure”
1969 UK-DERAM NOVA SDN4
(Progressive Rock)

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RARE度:★★★★

Member :
Dave Caswell(Trumpet,vo), Geoff Brown(g),
Andy Abbott(b,vo), Richard Pannel(g,vo),
Beppo(ds), John Smith(sax)

Side (A)
1. Skillet
2. A Modern Day Fairy Tale
3. Pastorale
4. I Wrapped Her In Ribbons
5. Children Of The Sun

Side (B)
1. Got To Make It
2. Frog Galliard
3. Blood
4. Hear The Colours
5. I Wanna Be Back Home

イギリスの60年代、70年代のアンダーグラウンドな当時のロック・シーンをいちばん生々しく記録しているのは、実はこのデラム・レーベルかもしれません。

ヴァーティゴ・レーベルも当時のアングラ・シーンという意味ではそうなのかもしれませんが、ヴァーティゴの場合はちょっとプログレに寄りすぎているので、そういう意味ではデラムなんでしょうね。

デラムといってもその傘下のデラム・ノヴァ・レーベルは、デラムでは発表できないような更に革新的なグループを紹介していました。「革新的」、所謂プログレッシヴです!

このガリアードというグループもそんな個性派グループの中のひとつで、ブラスを全面に出したヘヴィ・プログレの6人組。 これはデビュー作にあたります。

サウンドはブレインチャイルド程暗くはなく、キャタピラ程妖しげでもないがそれなりに一定の妖しさは保っていて、ウォルラスよりもイケイケで、でもシカゴとかのアメリカン・ブラス・ロックの軽快さとはまったく違う英国ならではの不思議な感覚です。

ジャズっぽくもあり、埃っぽいフォーク調のナンバーもあり、でもリズムはバーンと弾けていて、しかも重たい展開する部分はメイ・ブリッツ級の重さで、このあたりは英国70年代はやっぱすげえや、ってそんな世界ですね。ハード・ロック・ファンはブラスが入った時点で勘弁してください、という方も多いようですが、このあたりの作品はぜひ一度は耳にしてほしいと思います。

A-1のイントロの弾け方は尋常でなく、昔の新日本プロレスでゴングと同時に藤波辰巳が相手に躍り掛かっていく、まさしくあんな元気の良さで、そのクセすぐに捕まって絞め技かなんかに持っていかえてしまう、そんな急転直下な転調の感じも最高です。

ヴォーカルは60年代後半のヒッピーやノッティンガム・ヒルゲイト系の投げやりな歌い方がまた魅力的。激しい曲はわりとどの曲も一斉射撃で始まりますが、曲が展開していくとだんだんいい感じに濁ってきて、ああ英国くさっ、ってそんな魅力的な曲ばかりです。

B面に入っても同じ路線ですが、60年代サイケ風味の曲もあったり、どしゃぶりのような曲もあったりで、一聴した感じではつかみどころがなくてなんでもやってる寄せ鍋的印象をもたれると思いますが、これもデラム・ノヴァ・レーベルならではの味わいの一つです。少なくとも10回以上は聴いていただくと「まとまりのなさ」が愉快になること間違いありません!

さらに、ジャケットが素晴らしい!「怖い夢」の典型のようですが、こちらも見るほどに楽しくなります。

ブラック・キャット・ボーンズからメロゥ・キャンドルまで、デッカ参加のジャケット・アートを手掛けた、デヴィッド・アスティの手によるものですが、この辺りにも名盤の誉れを感じます。

全編にわたって英国60年代の息吹が充満していて、埃っぽくて古めかしい良さにいまだに革新性を感じる名盤です。

保守なのか革新なのか、日本の政界はめちゃくちゃ感ありますが、のちに評価されるデッカ・ノヴァのような仕事ぶりを見せてほしいところです!?

(2014.12.03)

こちらのレコード在庫にあります!

4600840 GALLIARD/Strange Pleasure 38,000円(税別)
詳細は→ http://bit.ly/1vlsoh0

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