メールマガジン『ロックの王道を行け!』:第353回PIERROT LUNAIRE – Gudrun

【メーマガジン ロックの王道を行け!】

PIERROT LUNAIRE – “Gudrun”
1977 ITALY IT ZPLT34000
(Jazz Rock)

PierrotLunaire_GudrunSSL3795

RARE度:★★★★★

Member : Arturo Stalteri(key,vo,ds), Gaio Chiocchio(g,key,vo),
Jacqueline Darby(vo)

Side (A)
1. Gudrun
2. Dietro Il Silenzio
3. Plaisir D’amour
4. Gallia

Side (B)
1. Giovane Madre
2. Sonde In Profondita
3. Morella
4. Mein Armer Italiener

イタリアン白昼夢を代表する一枚です。

1stアルバムでも既にその片鱗を見せてはいたものの、神秘的な女性ヴォーカルを迎えたこの作品で一気にその先鋭的な芸術性が開花。英国のプログレから流れ流れてイタリアのプログレに到達した諸氏にとっても、それでもかなり遠いところに位置する一枚で、表の パレポリ、裏のグドルン、といったところでしょうか。

タイトルもドイツの神話に由来するとのことではありますが、オパス・アヴァントラ(OPUS AVANTRA)が狂気サイドに更にもう一歩踏み込んだような感触は後にも先にも出てこない孤高の輝きを誇る作品と言ってよいでしょう。

80年代にも狂気性を内包したイタリアン・プログレのアルバムは出てはいるものの、表現方法や表面的な作風では類似性は感じられても、内面的にここまでの研ぎ澄まされた感覚には残念ながら届いておらず、 そういう意味でも本当に貴重な一枚です。

A面冒頭からB面ラストまで一気に聴かせる作品で、どの曲がどうのと いうのはなく、A-3のマルティーニの愛の歓びをとてつもないアレンジで 聴かせるあたりは単純性の中にある芸術的セピア色が本当に素晴らしく、 この手にハマる人には抜け出せない魅力に満ち溢れた力強さです。

極端なノイズアレンジの中を悪女と天使が同居した美声が駆け抜けると いうなんとも形容のしがたい展開で、体育会系の部活の特訓合宿で めちゃくちゃ疲れた夜に、どんなに隣の部屋の連中がうるさくても そんなの関係なく幸せな眠りをむさぼる、まさにそんな曲です。

そしてB面。

B-1のこのかっこいいヘヴィーな楽曲はチェルベロ級です。

そのバックを怪しげな女性の笑い声が響き、優しい恐怖に陥れられたかと 思うと、突然の転調で、哀しい時は明るい曲を聴く程より哀しい、では ないのですが、明るくて激しい曲程恐怖を感じさせる、そんな印象です。

そしてその後も不安と狂気、そしてその奥底に美を包み込んだまま曲は 進行します。

B-2は、戦争で焼けてしまった母校に戻って、そこでの楽しい思い出を 走馬灯のように思い出しているシーンのような展開です。その後、 B面クライマックスに向けての展開も尋常ではありません。

A面からB面ラストまでまったく気を抜くことを許さず、逆に言えば 一気に聴く事ができるアルバムです。一聴しただけなら単に「アバン ギャルド」で片づけてしまわれそうですが、50回聴いたらわかるのか!? とかいう問題ではなく、『リスナーの琴線に触れるかどうか』、これ 一本に照準を合わせて勝負している感じです。

聴く度に印象の変わる、一生楽しめるアルバムとも言えそうです。

ジャケットも血を流している星が倒れている不気味なもので、今なら、 絶対にプロデューサーに却下されること請け合いで、それがかえって アルバムの印象も引き立てているように思います。

当時のイタリアのレコード屋ではこんなジャケットの作品がネットも 何も情報がない中で店頭にシールドで並べられ、ジャケだけから音を 想像して購入し、そして出てくる音がこれとは・・。買った人の反応を 画像検索してみたいくらいです。

しかしながらそういう勇気ある人たちのおかげで、極東に住む我々 オヤジ世代にこんなに素晴らしい経験をさせてくれていると思えば 感慨もヒトシオです。

むせ返るような濃厚でセクシーで危険で哀しげな女性ヴォーカルの世界に 浸るには、蒸し暑くて怪しげな月の輝く夜が似合うと思います。梅雨入り 間近、また暑い夏が近づいてきました。そろそろこの一枚、準備して おかれては如何でしょう?

(2014.06.04)

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– PIERROT LUNAIRE/Gudrun(再発盤) → http://bit.ly/1pQsyYs
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